003:就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇(著:石渡 嶺司,大沢 仁/光文社)

これもだいぶ前に読了していたけど今日の今日までアウトプットせずでした.だいぶ旬すぎてるかもしれないけど気にしない.

就活のバカヤロー (光文社新書)

就活のバカヤロー (光文社新書)


Amazonとかを見ると,解決策が提示されてないというコメントがありました.(多分.うろ覚え)

しっかり冒頭で書いているんですけどね.これは問題,現状の提示をする本であって,どうこうするべきだという本ではないです.

なんにせよ就職氷河期レベルを超えて就職活動戦線はとんでもないことになっています.

私も去年,就職活動を(だいぶ遅くにですが)やっていた身としてはだいぶきついことを実感しました.【ついでに自分のコミュニケーション能力(笑/馬鹿にしているわけではないけどこの言葉を聞くとなぜか噴出してしまいそうになる私がいます.)のなさにも絶望しました.】

私は主立ってIT系を受けてましたが,
学生の視点から見ると,説明会で同じような単語が出てくるんですよね.
ワンストップソリューションズやらERPやら.
その中で自分の行きたくない企業,行きたい企業を判別するのは非常に難しいものです.

企業は企業で優秀な学生を取りたいから青田刈りになりがちという現状もあるでしょう(一応経団連が就活の開始時期を遅らせる方向でというニュースも聞いた気がします)

そして大学は大学でだまし戦略めいたところがある.確かに大学に行くのはある意味惰性もあるのかもしれないが,いい職につきたいという中長期的な目標があるだろう.しかし,その前により発展した勉強をしたいため,より面白いことに手を出すためということはないのか?(非常にアグレッシブな人であれば高校生のときにやってるだろうという意見もあるだろうが.)

かくして大学は教育機関から就職予備校への色が強くなり,そこで出てくる学生はマニュアル本で固めた人たちが多い.(誰がどうとか言いませんし,その人が馬鹿だとののしる気もありません.だって私も似たようなものですもの.)そして企業もありもしない(ことが多い.全部とは言ってませんよ.念のため.)会社の魅力や本格的に働いたことのない学生に対して働きやすさを伝えるというどうにも奇妙な構図が出来上がっている.(なお,この本では就職活動サイトについても言及している.読めば,なるほど,確かにこう言う裏側もありそうだとよい情報を仕入れたと思った.)

なんにせよ.この問題を一刀両断するのは難しい.それぞれが協力してよい体制を作り上げるにしてももうそろそろ卒業する学生は恩恵にはあずかることは不可能だろう.(個人的な見立てだと無理だろうと思っているがそこはポジティブシンキングということで.)

結局は木が病気になって捻じ曲がっていても,私たちが興味があるのはその枝の先についた果実でしかないということなのだろうか。