モデル化論

モデルというものがある.

職業のモデルではなく,数式やビジネスとかが頭につく方のモデルである.

私の研究テーマにこのモデルの解析というのがある.

それを他の人に説明するとき(特に数学から縁遠い人に説明するとき)

リアクションとして得られるのが,

それって現実じゃないんでしょ?

とか

それで未来を予測できるの?

というコメントだ.

まず前者の類は現実じゃないけどその解析をすることがモデルを現実に近づけるために必須だと言ってみたりする.(大概,興味なさそうな顔をされて別の話題に変更されるのが常だが.)

後者の類はある意味正しいと言えば正しい.(過去の現実データとある程度一致するようなものでなければそのモデルは何のために作られたのか分からない.)しかし,大概の場合,モデル化を行うときにすべての要素を持ってくることはしない.ある程度区分を分けたり,要素を排除したり,変数の固定を行ったりする.

そうなるとどうしても現実とのずれが生じてくる.周りの人が思う決定論的な未来の予測というのはどうしても無理だ.(世の中は確率の要素が大きい.当然のことと言えば当然のことだ.)

現実の言葉でも同じようなものなのかもしれない.

自分の思ったこと,考えたことをすべて伝えようと思っても,そこに言葉,意識という変数が存在する.当然,その変数は人によって異なっていることだろう.(言葉はある程度一致しているだろうけど)

結局,私たちは他人に真に伝えることはできず,モデルを受け渡しすることで,

意識を伝えている気になっているのだろうとも思う.