手段と目的

手段と目的を取り違えるな.

よく聞く言葉だ.実際,仕事は社会上で生きるという目的のための手段である.ワーカホリックという言葉をプラスととるかマイナスととるかは別としてワーカホリックはある種,社会で生きるという目的以上の仕事をこなしているということに相当する.

私たちは目的に対してまず目を向ける.しかし,実際にやりはじめたら目的を忘れ手段がメインテーマとなっていく.これが手段と目的の取り違えだ.

なぜそんなことになるのか?

実際に私たちが使う手段はバリエーションに富んでいるわけではない.(手段をいくつかで試すということは学生はほとんどしない.高々与えられることをやってそれで終いである.)それならばなぜ手段にばかり目を奪われるのか?

私は手段への理解が不足していると考える.たとえば料理をするときにどれくらい包丁が切れ味があるのか,切るものの硬さとかをある程度の理解をしていないと切るのに集中力を要する.そして集中しているうちになんの料理を作ろうとしていたのか忘れてしまうということになるのではないだろうか.ここでは料理が目的,手段が包丁でものを切るということになる.