カンブリア宮殿:元外交官の交渉術

カンブリア宮殿の録画を見た.

そういえば,もともと企業人にスポットライトを当てていたがその路線はやめたのだろうか?次回は企業人なので単にネタが少なくなってきているということか.

北朝鮮の拉致問題も担当していた元外交官,薮内三十二氏.この方,ノンキャリだがトップの位置である事務次官であった.経歴偏重が大きい中央省庁でここまでのポストまで上り詰めるのはよほど実力のある人なのだろうと思っていたら,そのとおりでなんと大阪大学の学生であるときに外務省試験を受かり,1ヶ月で外交官試験をパスしたお方でもある.

薮内氏は食事の場で御呼ばれしたときには何か話さなくてはならないという意識が相手にも芽生えると仰っていた.

なるほど,ということはあながち3文芝居でもよく見られる「●●というレストランで高級官僚が談合」というのも間違っていないわけか.

食事に招かれたら食事のほうに意識が集中してしまう私はだめな人ということが証明された.

まぁそれはいいとして,終盤で薮内氏は日本外交では援助をすることで"友"を作り,それが安全保障となるということも仰っていた.

これは右派の人が聞いたらなんというか切れそうだな.ちょっと左派な考え方かも.(ちなみに私はどちらでもない.極論が正解を得られるほど世の中容易くないと思う.)

しかし,これも日本的な考え方だ."友"を作るという言葉とは少し違うが,コミュニティを作るということが重要なのだ.それは歴史的な背景からもわかる.村八分だ.

村八分というとネガティブなイメージがもたれそうだが,国際社会においても他国の大勢の白い目があるとなかなかに動きづらい(例外はいくつもあるので断言はできないが.)

そして薮内氏は「今の外交官は日本文化を学ぶべきである」とも仰っている.

現状,日本人が日本文化を知らないということはどうかと思う.(外国の方のほうがよく知っているという現状はなんというか失笑しか出てこない)

私たちはどこを向いていけばいいのだろう.そう思っているときに中国やインドなどの華々しい発展を遂げた国が前や横を車で疾走していく中,私たちは足元のペダルが何なのか理解しないうちに踏み込んでいないだろうか.

理解して踏み込んだらより多くの力を得られるのにもかかわらず,日本はブレーキをアクセルと勘違いして踏み続けて,動かないと嘆き,ギアをバックしてアクセルを踏み込んで前進しないと嘆いている.

非常にまともな放送からそんなあべこべなことを考えた夕暮れ時であった.