子供≒おもちゃ論

デザイナーベイビーという言葉がある.

生まれる子供の特性を遺伝子操作して自分の思い通りの才能を持たせた子供のことである.(実際は爆発的な能力の向上が見込まれるわけではないらしい.まだ倫理的にも技術的にもタブー視されている.)

親が子供にかける期待というのはいろいろなものがあるだろう.

老後の時に助けてほしい.家業を継いでほしい.あるいは著名になって自分が注目されたい.

さまざまな理由があるが,(といっても得てして自分の汚い面を見せたくない故に「この子の人生がよくなってほしい」という本気か嘘かわからない言葉で隠されるわけだが.)誰の人生なのだろうかと考えてほしい.

確かに両親がその子を生み出したのは事実だ(それが意図したものかどうかは触れない).

しかし,一応お題目上ではその子の人生なのだ.両親が非常に大きな期待を持つのは結構なことだが,あまりに大きな期待は人をつぶしかねないのではないだろうか.

近い未来,もし子供をデザインするときになってなんでもできるような子供をデザインするのは結構なのだが,それはそれで惨めにならないのか?と疑問にならざるを得ない.

自分がおもちゃとして作り上げたものに自分の無能さを指摘される.これほど惨めなことはないと思うのだが……