001:思考の整理学(著:外山滋比古/筑摩書房)

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

2年前ぐらいに読了していたが最近また読んでいるので

こっちのほうにログを残します.



内容は発想法からノートへのアウトプットの仕方,読書の仕方など幅広く取り扱っていて非常に面白い.

一番気になったのは最初の部分に書いてあることだった.

最近の学生(といっても執筆当初は1986年なのでだいぶ前)は

グライダー学生であると指摘している.(受動的に知識を得てばかりの学生をグライダー学生と定義している)

このグライダー学生は卒業論文で非常に苦労する云々と続いている.

25年前でも学生は今と同じであったのだ.
(いや,今はもっと悪化しているかもしれない)

教育機関では基本的にグライダー能力が大きく問われやすい.

小学校,中学校,高校,大学,最後には会社という形でそのグライダー能力が必要とされる.

しかし,それも度が過ぎれば機械のような人間である.(理由もなく不平不満を言う可能性があるという点も考えると機械よりもだめかもしれない)

テーマを与えられ,「この本を読むといい.あの本を読むといい.」という教授の言葉に従って自分で何も考えずにただ計算だけを行っていたという気がする私にとっては少しいたい話である.

人生,いつかどこかで一人になる.実際は一人ではないのかもしれない.
しかし,どこか頭の中で1人だけという仮想的な状況を作り上げて自分で考え,作り出すということが必要なのだろう.